トム・クランシー

トム・クランシー

 リブート元の原作シリーズを執筆したのはトーマス・レオ・クランシー・ジュニアです。彼は1947年4月12日生まれのアメリカの小説家で、軍事や諜報活動を扱うテクノスリラー小説を数多く執筆していました。残念ながらもう、既に他界されている方ですが、アメリカにおいては大きな人気を誇る作家の一人です。テクノスリラー小説というと日本においてはあまり知名度が無い小説ジャンルかもしれませんが、虐殺器官を執筆された伊藤計劃氏などが、彼と同じようなジャンルの小説を刊行しておりますのでまずそれを読んでみるといいかもしれませんね。

概要

彼はメリーランド州ボルチモアで生まれました。ボルチモアで保険代理店を営みながら、余暇に書いたデビュー小説『レッド・オクトーバーを追え!』がベストセラーになり、後の軍事シミュレーション小説の先駆けとなります。本作はアメリカの政府関係者が絶賛、映画化もされ、一躍人気作家の仲間入りを果たしました。近未来の政治サスペンス、娯楽アクション大作を得意としました。 著書で、元株式ブローカーで軍事史家である中央情報局《CIA》分析官、ジャック・ライアンを主人公とした『ジャック・ライアン』シリーズが代表作。ほかに『国際陰謀』シリーズ、『オプ・センター』《スティーブ・ピチェニックとの共著》等のシリーズがあり、いずれもヒットしています。

また、1996年にゲーム会社『Red Storm Entertainment』社を設立。『Tom Clancy's Rainbow Six』等を販売。Red Storm Entertainment社は2000年8月にUbisoftに買収され、以後Ubisoft社から『Tom Clancy's』の名前を冠したゲームが販売されています。

2013年10月1日、ボルチモアの病院で死去。66歳だったのです。

主な著作

ジャック・ライアンシリーズ

レッド・オクトーバーを追え《The Hunt for Red October, 1984》
最新鋭のソ連原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」がアメリカへの亡命を希望。ソ連に亡命を悟らせずにいかにレッド・オクトーバーを手に入れるか。なお、この作品は1990年に映画化されています。
愛国者のゲーム《Patriot Games, 1987》
英国で休暇中のジャック・ライアンが偶然テロリストによる英国皇太子襲撃を阻止。テロリストはアメリカでライアン一家の襲撃を計画します。時代設定は『レッド・オクトーバーを追え』よりも前。『パトリオット・ゲーム』の邦題で1992年に映画化。
クレムリンの枢機卿《Cardinal of the Kremlin, 1988》
ソ連の高官に潜むスパイ「枢機卿」が危機にさらされました。ソ連国内の枢機卿救出にライアンが乗り出す。
いま、そこにある危機《Clear and Present Danger, 1989》
コロンビアの麻薬組織壊滅のために送り込まれたアメリカ部隊が政治的思惑で見捨てられています。彼らの救出に奔走するライアン。1994年に『今そこにある危機』として映画化。
恐怖の総和《The Sum of All Fears, 1991》
歴史的な中東和平に反発するテロリストがアメリカで核テロを実行。疑惑が疑惑を呼びソ連と全面戦争の危機に。邦題『トータル・フィアーズ』によって2002年に映画化。
容赦なく《Without Remorse, 1993》
愛する少女のために麻薬組織に単身対決を挑むジョン・ケリー。ジャック・ライアン幼少期、ベトナム戦争時代のストーリー。2011年の映画公開を予定。
日米開戦《Debt of Honor, 1994》
日本の関税と同率にアメリカの関税を定める貿易改革法が成立。危機に陥った日本の経済的支配者がアメリカに対して戦争を仕掛けた。ジャンボジェット機を議会議事堂に突入させる描写が、9.11テロ後話題になった。
合衆国崩壊《Executive Orders, 1996》
米国首脳が壊滅して、大統領職を継いだライアンを待ち受けたもの。それはイラクを併合したイランによる卑劣な戦争だったのです。
レインボー・シックス《Rainbow Six, 1996》
冷戦後の国際テロに対して、極秘に多国籍組織レインボーが設立されました。偶然とは言えないほど頻発するテロ。その背後にあるのは。『クレムリンの枢機卿』によって初登場したジョン・クラークが主人公。
大戦勃発《The Bear and the Dragon, 2000》
バチカン大使が中国警察官に殺害され、反発による不買運動で中国経済が危機に陥る。これに対し中国は、シベリアの資源を狙い、ロシア大統領暗殺とシベリア侵攻を目論む。
教皇暗殺《Red Rabbit, 2002》
ソ連の影響下のポーランドで反政府運動が活発化します。ポーランド出身のローマ教皇は共感を覚え、教皇を辞職して支援に向かおうと考えるが、それを知ったソ連は教皇の暗殺を計画します。実際に起こった1981年のローマ教皇暗殺未遂事件が舞台。『愛国者のゲーム』から半年が経過しています。なおベン・アフレック主演の『新ジャック・ライアンシリーズ』の映画化のために書き起こされた小説《トム・クランシー自身が『トータル・フィアーズ』DVDコメンタリー内で執筆中を示唆》ではありますが、モデルとなった教皇暗殺未遂事件のヨハネ・パウロ2世が2005年4月に死去したため映画化が頓挫した形となっています。
国際テロ《The Teeth of the Tiger, 2005》
大統領を辞したジャック・ライアンが新たな諜報機関を極秘裏に設立。ジャック・ジュニア等が組織に参加、テロリストと対峙します。
デッド・オア・アライヴ ("Dead or Alive, 2007)
イスラム・テロ組織の首謀者アミールは、時間差頻発テロを目論み、アメリカに潜入します。アミールの目論見を阻止するために、ジャック・ジュニアやクラークが所属する組織ザ・キャンパスが彼の影を追う。その最中、ジャック・シニアは大統領選挙に出馬することを決意します。
ライアンの代価 ("Locked On, 2011)
アミールの捕獲から1年、ジャック・シニアは厳しい選挙戦に身を投じていた。一方で新たなテロの脅威と対峙するザ・キャンパス。メンバーが各々活動する中、ジャック・シニアの盟友、ジョン・クラークに魔の手が忍び寄る。
米中開戦 (Threat Vector, 2012)
再びライアン政権となったアメリカに、サイバーテロが発生。その首謀者「センター」は、ジャック・ジュニアが属する組織ザ・キャンパスをも標的にして、FBI捜査官やジャック・ジュニアの恋人までもを操り、ザ・キャンパスそしてアメリカ合衆国を窮地に追い込んでいく。
米露開戦 (Command Authority,2013)
ロシア政府はシロヴィキといわれる治安・国防機関の出身者に牛耳られていた。彼らは、特権により私服を肥やして、メディアを操り、体制批判者の暗殺さえ厭わない。ヴォローディン大統領がその筆頭で、彼はかつてのソ連のような、大ロシア帝国を築こうとしていた。その突破口として目をつけたのが、ウクライナだったのです。
Full Force and Effect (2014, by Mark Greaney)
 
ネットフォースシリーズ《Net Force》

その他の作品

オプ・センターシリーズ《Tom Clancy's OP CENTER》

  • ノドン強奪
  • ソ連帝国再建《Mirror Image》
  • 欧米掃滅《Games of State》
  • 流血国家《Acts of War》
  • 自爆政権《Balance of Power》
  • 国連制圧《State of Siege》
  • 油田爆破《Divide and Conquer》
  • 起爆国境《Line of Control》
  • 聖戦の獅子《Mission of Honor》
  • 被曝海域《Sea of Fire》
  • 叛逆指令《Call to Treason》
  • 最終謀略《War Of Eagles》

<剣>シリーズ

  • 千年紀の墓標《Power Plays: Politika, 1997》
  • 南シナ海緊急出撃《Power Plays: Ruthless.Com, 1998》
  • 謀略のパルス《Power Plays: Shadow Watch, 1999》
  • 細菌テロを討て!《Power Plays: Bio-Strike, 2000》
  • 死の極寒戦線《Power Plays: Cold War, 2001》
  • 謀殺プログラム《Power Plays: Cutting Edge, 2002》
  • 殺戮兵器を追え《Power Plays: Zero Hour, 2003》
  • 石油密輸ルート《Power Plays: Wild Card, 2004》

オススメ作品

 まずなんといってもジャック・ライアンシリーズでしょう。「いま、そこにある危機」などを読んでおくと映画に対する理解が深まるかもしれません。また、こちらの項目では割愛しましたが、ネットフォースシリーズなども映像化されているので見てみるといいかもしれません。

エージェント:ライアンから潜入する! スパイ映画作品の濃密な世界!